drawgame(ブル遊)












 白い手袋をした手に頭を撫でられる。くしゃりと髪を乱すようで決して乱暴ではなく、やさしいその手付きはまるで幼い子供にするような。それが少しだけ、気に入らない。
「子供じゃ、ないんだが」
「そう思っていると?」
「……いや、」
 不敵に笑う彼は常ならばサングラスの奥に隠された瞳を少しだけ細めた。刹那どきりと鼓動が跳ねる。普段見えない彼の笑顔は心臓に悪い。視線を逸らせば吐息で笑う声がして、頭に置かれた手は再びくしゃくしゃと髪をかき混ぜた。敗北感に唇を噛む。
「遊星」
「何、……を、」
 するりと手が降りて頬を一撫でし、次いで顎を掴まれ半ば強引に顔を合わせられた。突然の行為に悔しがることも忘れて呆然とするのを他所に、ふっと微笑んだ彼はそのままこちらの唇に食らいつく。深く貪るような口付けを受けながら、頬に残った手袋の滑る感覚を、名残惜しく感じた。
 ――振り回されている。けれどもそれを満更ではなく思い、甘受してしまっている自分も、いる。